巷にこれだけ「決算書の読み方」という本があるにもかかわらず、決算書が苦手あるいは読めないという人が減らないのはなぜでしょう。
今回はこの本を読みながら、そんなことを考えました。
世界一楽しい決算書の読み方|概要
この本は決算書の読み方を解説しているのですが、巷にあふれる「決算書の読み方」なる本とは一線を画します。
それは大きくこの3点にあると思います。
- 数字がほとんど無く、グラフで表現されていること。
- 対象が誰もが知っている会社を使って比較していること。
- クイズ×会話形式になっていること。
この本では、一見すると数字の羅列である決算書を一目でわかるように可視化するだけでなく、似たような会社と比べ、クイズを通じて「どんな会社かな?」を考えることで、決算書から会社の経済活動に迫るプロセスを追体験できる、そんな感じの本になっています。
この、「決算書から会社の経済活動に迫る」まで書いてあることこそ、この本の特徴として特筆すべき点でしょう。
決算書を読めない理由
「決算書を読める」とは
そもそも、「決算書を読める」とはどういうことでしょうか。
この「決算書を読める」には2つあります。
- 決算書のルールが分かる。
- 決算数値の裏にある経済活動を読み取ることができる。
将棋でいうところの、「動かし方を知っているか」だけでは不十分で「勝つための戦法を知っているか」というところまで行けるか、というのと似ています。
決算書も同じで、どこに何が書いてあるかなど決算書のルールが分かっただけでは不十分で、決算書に書いてあることから、その裏にある経済活動まで想いを馳せることで決算書が数字の羅列から会社の経済活動を写す鏡へと昇華するのです。
決算書を読めない2つの理由
では決算書を読めない理由とは何でしょうか。
ひとつは、「どこに何が書いてあるかわからない」だと思います。
ただ、これに関しては巷に様々な本が出てますし、簿記を勉強すれば分かることです。
そして次が問題です。
決算書のどこに何が書いてあるか分かったとして、次感じることはこれです。
「で?」
そう、書いてあることが分かっても、それをどう解釈したらいいか分からないって状態です。
まとめるとこうです。
- 何がどこに書いてあるのか分からない
- 書いてあることをどう解釈していいか分からない
決算書を読むために知っておきたいこと
ではどうすればいいのか。
「世界一楽しい決算書の読み方」を読んでください。笑
この本のように、クイズを作って答えるのです。
その過程で、決算書のどこに何が書いてあるか分かるようになるでしょう。
そして過去の決算書と比較したり同業他社と比較しながら、その会社の決算書にどんな特徴があるのかを見つけていきましょう。
こうしてクイズと回答から把握した事実を積み上げ、決算書が映し出す経済活動をあぶりだしていくのです。
これこそが「世界一楽しい決算書の読み方」なのだと思いました。